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【レビュー】THE DIOFIELD CHRONICLE【Switch/Steam】

こんにちは、年末年始に積みゲーを消化していってきたざるたんです。3本消化してきたよい。

スクエニの戦略シミュ系として、前にレビュった「トライアングルストラテジー」に続いて今回は「THE DIOFIELD CHRONICLE」をレビュって行くんだ。

DIOFIELDって言うのは地名、CHRONICLEが歴史書的な意味だから、ディオフィールドで起きた歴史的な戦争とかを描いたストーリー、ってことはプレイ前から解ってた。

リリースから結構経ったゲームだから、ネタバレありまくりのレビューになってるので、これからプレイする人は注意して欲しいんだ。基本的に良さとか悪さを伝えるレビューではネタバレは避けたいところなんだけど、この作品のレビューはストーリー部分に触れないと出来ないと思ったんだ。

それじゃぼちぼち行ってみる。

THE DIOFIELD CHRONICLE

先に断っておくんだけど、今回使うスクショはこの一枚だけなんだ。ざるたんは通常プレイしながら印象的だったシーンとか、メモっておきたい画面のスクショを撮りながらプレイすることが多いんだけど、環境が噛み合わなかったのか全く撮れて無かったんだよね。

スクショフォルダにはサブディスプレイのスクショだけが並んでたんだ。ごめんよ。

ざるたんがプレイしたのはSteam版で、セールで買うだけ買って積んでたいつものパターン。

リリースは2022年9月20日でSteam評価はざるたんがストックに積んだ時も、この記事を書いてる段階でも「賛否両論」なんだ。まぁ、日本人はレビューが辛くなる傾向が強くて日本メーカーのゲームは全体的に評価が低くでるから参考程度、って考えてたんだ。

事前情報は、傭兵さんの物語ってことと、リアルタイム戦略シミュってこと、キービジュアルの4人がストーリーに絡んでくる、って位で新鮮な気持ちでプレイしてきたんだ。

クリアまでの時間は25時間位だったかな。

戦闘面

まずは、戦闘面なんだけどイカれた性能の技に気付くまでは結構楽しめるバランスなんだ。ミッションは基本的にフィールド内の敵を全滅させる、って言うのがクリア条件なんだけど、地点を防衛しながら殲滅する、って感じのミッションもある。

RTSなので、色んな方向から敵が迫って来てるのを捌く楽しみみたいなものはまぁまぁあるんだ。

向きの概念があって、敵味方共に背後からの攻撃はとってもダメージが大きくなるから、敵に背後を取られないように、敵の背後を取れるように、って感じで立ち回る必要があるんだ。

兵科は4種類で、歩兵・騎兵・遠距離・魔法って感じになってるんだ。一応得意兵科とかがあるんだけど、無視しても全然問題ないんだ。

必殺技的な攻撃スキルは武器ごとに固有で、同じ武器を装備出来るキャラクターは個人アビリティ以外の差別要素は無い。必殺技はMP的なのを消費して放つことが出来て、敵味方の位置を変えたり、大きなダメージを与えたり、って感じになってる。

必殺技にはクールタイムがあって、基本的に連発は出来ないし、MPも有限だから基本的にはブッパゲーにはなってない。基本的には・・・。

敵も必殺技を使ってくるんだけど、敵は味方と違って即時発動じゃなくて、チャージタイムがあるんだ。チャージタイム中は硬くなって、一部のスタン効果がある技でキャンセルしたり、範囲外に退避するのが対策になってるんだ。

後半になると、必殺技の強化が進んだり、MPに余裕が出来たりして敵が必殺技の発動準備に入ったらスタン技でキャンセルしながら防御ダウンを入れて総攻撃、って感じになって大分ぬるくなってくるんだけど、前半戦は狭いところで複数の敵が必殺技準備に入ると、範囲外に逃げようとして背中を攻撃されちゃったり、いろいろ考えさせられる感じになってるんだ。

戦闘中にHPを回復する手段は魔法キャラの回復呪文か、最大3回まで使える回復アイテムか、フィールドに初めから落ちてたり、敵を撃破した時に落とす緑の玉を取るか、って感じ。

玉は3色あって、HP玉、MP玉、召喚ポイント玉、って内訳。

召喚ポイントが溜まってると召喚獣を呼べる。最初から呼べる召喚獣はバハムート・・・。スクエニよ・・・。バハムートは範囲攻撃で、他には範囲回復とか、範囲バフとかがあるんだ。前半は囲まれた時の対策として結構役に立つんだけど、後半に行くにしたがって使わなくなってくる。

兵科ごとの特徴

歩兵は近距離で戦う兵科で、主人公は短剣装備のアタッカーさん。初期キャラの妹分が剣と盾を装備するタンク役って感じ。斧おじさんも仲間にはなる。移動力は並みで、アタッカーは攻撃が高くて必殺技も強力、タンクは防御が高くてスタンが取れたりする。

騎兵はランスを持って馬に乗った兵士と、飛竜に乗って自分はなにもしない兵士がいる。移動が速くて、攻撃・防御は標準的。必殺技は自分の位置を変えるのが多くて、相手の背後に強引に回れる技が強み。

遠距離武器兵科には、弓と銃がある。どっちも脚は遅めで、弓はスタンが取れて、銃は威力が高い範囲攻撃があったりする。密集マップではスタン+防御ダウンが超重要だから、弓の方が強いかな、って思う。攻撃力は騎兵とアタッカーの中間位。防御面は紙。

魔法屋さんは遠距離から魔法玉みたいなの飛ばして攻撃する。杖とロッドがあるけど、そんなに差はない。必殺技の回復が重要だから武器は回復技が付いてる武器を使うことになるんだ。攻撃力は低くて脚も遅くて、防御は紙。

出撃ユニット数と副官

最大出撃ユニット数は4。それぞれにリーダーと副官が設定出来るから、出撃人数は8人。少ない。あまりに少ない。

なので、基本的には4兵科を1部隊ずつ出撃させることになるんだ。兵科を偏らせることで有利になるようなバランスでもない。

副官はユニットの基本性能には一切関係ない。使用可能スキルが増やせるだけだから、装備してる武器は重要だけど、それ以外は全く関係ない。最終マップにLv.1で出撃しても大丈夫。

敵の賢さ

このゲームの敵AIは賢さが低いんだ。せっかく部隊のバックを取ってても、他の部隊が正面から近付いたらそっちに攻撃対象を切り替える位にはお茶目。

ボスは騎兵で突進してバックを取って、3人が反対側から総攻撃するパターンになりがち。後半は敵の歩兵がとっても硬くなるから、雑魚敵相手でもバックを取りたいところなんだけど、他の敵にバックを取り返される可能性があるから、加減が難しい。

この辺がRTSの一番の楽しさだと思ってる。

一部の壊れた技

これが無ければクリアできない、って程じゃないんだけど、サクサク進めるには使った方が明らかに楽、って感じの技・戦法があるんだ。

まず、必殺技には基本的にクールタイムが設定されてるって言ったけど、主人公のアサシネーションって技は敵を撃破した場合にはクールタイムが発生しないんだ。そこそこのレベルでそこそこの武器を持って、攻撃バフが入ってれば敵の遠距離・魔法部隊は1撃で倒せたりするんだ。範囲攻撃で削ってあればもっと簡単に倒せる。

つまり、MPがあれば必殺技連発で厄介な遠距離部隊を一瞬で全滅させられるんだ。

魔法兵の杖スキル、イグニッションを使うと、範囲内の仲間の速度があがるんだ。RTSにおける速度は最重要の要素で、この技では移動速度だけじゃなくて、攻撃速度にもバフがかかる。しかも、スキルレベルを上げると攻撃力にもバフがかかる。体感で2倍以上の速度で敵を溶かせるようになるんだ。

後半でこの2つの技のヤバさに気付いてからは、高速消化のためにこれらを連発するだけのゲームになってしまった。

回復技ではごく普通のヒールって技がヤバい。なにがヤバいって回復量が最大体力の50%、スキル強化で60%ってところ。更にクールタイムが4秒ってところ。バックを取られて混戦にならない限り前線部隊が落ちることはまずない。

常時速度バフがかかってる後半は、スキルのクールタイムも短くなってるから、真後ろで敵増援が沸いて総崩れになった状態からでも一瞬で立て直せるんだ。

主人公の幼馴染枠の騎兵さんはアビリティで全ユニット与ダメ20%アップとかいうぶっ壊れたのを持ってるし、全体的に調整が超大味。

長射程の確定スタン技を使える弓兵は投入が確定、って考えると、他はスキル連発でDPSがほぼ無限大の主人公部隊、パッシブバフが強力でバックを取るための幼馴染騎兵、高回転の回復役のロッド兵って感じに4枠しかない部隊が固定されるんだ。

副官は、スタン技を使える剣盾兵とイグニッションを使うための杖兵が居れば、後の2枠はどうでもいいと思う。非常に大味。

ストーリー面

まぁ、戦闘が大味でもストーリーが良ければ、物語を読んでる感じで楽しめるからいいんだ。ストーリーが良ければね。

今作は一見王道中世ヨーロッパ風ファンタジーなんだけど、結構そんなことは無い感じなんだ。

主人公たちは貴族お抱えの傭兵団→その貴族がやられて上司の貴族直属の騎士団→その貴族を適当な理由で葬って独立部隊→国王直属の騎士団って感じに出世してくんだ。上手い事行き過ぎてる。

キービジュアルの女性は仲間になる元貴族キャラクターで、魔法が使える、って触れ込みなんだけど、実はアンデッドを使役する禁忌の術の研究者で、それに取りつかれたからか段々サイコになってく。暴動の鎮圧で不要な虐殺とかをしたから民衆にも嫌われてる。

それ自体は普通のヒロイン的な立ち位置じゃなくて面白いんだけど、最終的には敵対して主人公に始末されるんだ。また会える、的なことを言って刺された挙句高いところから落ちてくんだけど、それ以降出てくることは無い。多分DLCとかで出てくる。

一番まともな弓使いさんも、「こいつら狂ってる」って感じで出て行ってしまう。

この2人に関しては永久離脱だから、主力として使ってると他のキャラのレベルを上げなきゃいけなくなるんだ。一応汎用装備で同じスキル構成に出来るから、レベルさえ追いつけばなんとかなる。

キービジュアルのキャラでは主人公と幼馴染の騎兵さんが残るんだけど、幼馴染さんは小さいころに目の前で消された王子様は自分だ、って主張して王女様にこの人がお兄ちゃんですって言わせて国王の座に付くんだ。主人公がそれをそそのかす描写がある。

ちなみに消された本当の王子様の付き人だったのが主人公。これは物語中に回想シーンが入る。

そこから王様になった幼馴染騎兵さんは、自分の力を見せつけてやる、って言って戦いに挑んで兵力を集中させたことで、王都を危険に晒すんだよね。

で、最終的には王都が悪役の定番=帝国軍に包囲されて偽降伏→敵の大将を倒して大逆転で解決、ってシナリオ。

この敵の大将、実は主人公と幼馴染騎兵と王子様の3人を襲った人で、主人公は帝国に連れ去られてそこで兵士としての訓練を受けてたんだってさ。自分の友人でもあった本物の王子様の仇を取ることが主人公の目的だったから、大将を倒してめでたしめでたし、とはならなかった。

力は正しいものが使え、的な回想シーンがあった後で、国王になった幼馴染騎兵を敵の大将の銃で撃ってエンディングに入るんだ。多分、国王として暴走してたから、正しいものじゃないってことと、友人だった王子様になり替わった幼馴染騎兵が許せなかった、って感じだったのがあるんじゃないかな。

想像の域を出ないのは、これらの伏線はゲーム内ではほぼないんだ。特に帝国の大将に関しては、最終章でぽっと出てくるだけだし、因縁の相手としては描かれてない。

伏線として張られてるのは、主人公の動きと帝国の動きがリンクしてる、ってこと。情報も仲間とは全く違うところから仕入れてたし、プレイしてれば、主人公が帝国側の人間であることはなんとなく解る感じだったんだ。

敵の大将が最期、自分に止めを刺した主人公に対して「なんで??」って言ってたから、主人公に裏切られた、ってことなんだと思う。主人公は帝国で英才教育を施された凄腕のスパイで、王国にいた他のスパイと協力して国家転覆させるのが仕事だったんだと思う。

確かに主人公の謀略で用済みになった王国の貴族は始末されていったし、王子3人+偽物1人も始末されて、王女も教会の司祭にされて王位から遠ざけられたから王家はめちゃくちゃになったし、国王への作戦提案が暴走を促す感じだったんだ。

伏線の張り方がちゃんとしてれば、面白いストーリーだったと思うんだけど、それが非常に雑だったり、そもそもプレイヤーに公開されてない部分だったりするから、あんまり楽しめない、って言うのがあったかな。

中盤あたりで主人公が帝国側の人間であることをプレイヤーに明かして、そこから帝国・王国・民主主義のルート分岐があったり、ネクロサイコ女子生存ルートもあってよかったと思う。

初回プレイでは仲間の離脱とか傭兵団内の不穏な感じから、バッドエンドルートに入ったかと思ったんだけど、大丈夫、一本道だった。

ただ、バッドエンドシナリオ自体は好きだし、戦争だから謀略が渦巻いてて当然だと思うし、主人公が大衆にとっての正義である必要は無いと思うから、シナリオ自体は別にいいんだ。ただ、伏線が無さ過ぎることが問題なんだ。

UI

ゲームの進行としては、戦闘と拠点での会話を繰り返す感じで進んでく。拠点での会話でサブシナリオがあったりするんだけど、キャラの掘り下げはあんまりない。

拠点内ではファストトラベルも出来るし、広すぎないから移動に関してはストレスは無かったんだ。ただ、武器屋さんとか開発メニューとかのUIが作り込まれてない感じなんだよね。

例えば、武器屋さんでは武器とか装飾品とかアイテムとかの大枠カテゴリ選択→武器カテゴリ選択→武器選択って感じの3階層になってるんだけど、最深部の武器選択画面で戻るボタンを押すと、大枠カテゴリ選択まで戻るんだ。そこは1階層だけ戻れよ、って思ってた。

戦闘中は部隊の行動選択中に時間が止まるから、落ち着いて操作は出来るんだけど、密集陣形で1部隊を掴むのがカーソル操作だと難しいんだ。まぁ、部隊リストから選択すればいいんだけど、敵味方混戦になってるとそこが難しい。

他は概ね問題なし、と言うか、普通。

難易度

難易度は3段階に調整出来るんだけど、最大レベルでも敵AIがお茶目だし、バフ&必殺技連発戦法で瞬殺出来る程度の大味な難易度なんだ。

最後まで同時出撃は4ユニットだし、多方面からの攻撃を部隊を分けて対処するような場面は無いから、脳筋ゴリ押しで行けちゃう。

ただ、歩兵とか亜人が異常に硬くなるから、高難易度では上手くバックを取って行かないと処理しきる前に他の敵に詰められてジリ貧になることはあるんだ。流石に後衛が後ろから攻撃されると一瞬で蒸発する。

キャラロストは無いんだけど、4ユニット中の1ユニットが落とされるとかなりキッツいよね。特に回復役の魔法ユニットがミッション前半戦で落ちるとクリアは難しいんだ。

ミッション中の目標で〇分以内にクリアって言うのがあるんだけど、その半分の時間以内でクリアできる位のバランスだから、苦戦はしない。

それってゲームとして楽しいの?って聞かれたら答えはNOかな。

サウンド面

BGMが記憶に残ってない。つまり、よくも悪くも無かった、ってことだと思う。

キャラボイスは有名声優さんを多く使ってる感じで、聞き覚えのある声が多かったし、違和感のある取り合わせも無かったと思うんだ。フルボイスじゃないけどね。

と言うか、主要キャラ意外はキャラ立ちしてないから、ビジュアル面と声があってるかどうか、位の評価しか出来ないのが実情。

グラフィック面

Switchのゲームにグラフィックを期待してはいけない。Switchのゲームとしてもキャラに表情筋が無い人形さん達だから、ちょっと寂しいかも知れないけど。

一応、Steam版ではフルスクリーンモードとウィンドウモード、ボーダレスウィンドウ、って3種類から選べるんだけど、ざるたんの環境ではどれも一長一短って感じだったんだ。

ざるたんは解像度、リフレッシュレート違いのマルチディスプレイ環境なんだ。メインがWQHDの144Hz、サブがフルHDの60Hzって感じ。

この環境でメインのフルスクリーンにすると、カーソルが画面から出せなくなるんだ。

ざるたんは多くのゲームをボーダレスで遊んでるんだけど、この設定だと解像度の上限が1280になる。流石に耐えがたい。

フルスクリーンの144FPSで遊ぶと、画面が乱れてまともな描画が出来なくなるし、ちゃんとした表示になるまで試行錯誤をしたんだ。60FPSまで落として、色んな設定を弄ったらまともには動いてくれるんだけど、安定しない。

結果としてウィンドウモードで2560*1440解像度、60FPSにすると実質ボーダレスになるから、これで遊んでたんだ。ただ、グラボのスクショがサブディスプレイに反応したり、ゲーム終了の度にFatal Errorを吐いたり、って感じでモヤっとする。

スクショのためにもう一回プレイする気にはなれないから、この記事はスクショが無いんだ。一応強くてニューゲームはあるんだけど、シナリオが一本道だからね・・・。

まとめ

評価としては、シナリオ自体は面白いけど伏線が無いから意味不明になってる読み物ゲーム。伏線の無い読み物、って段階でアレ過ぎるんだけどね。

戦闘とか育成とかユニット編成に関しては完全におまけ。これはSLGではない。読み物。

Switchで戦記モノをプレイしたいなら、FEをやった方がよい。リアルタイムではないけど3周分のシナリオを楽しめるし、ちゃんと悪にもなれる。難易度もちゃんと調整出来る。

最後に

今回はTHE DIOFIELD CHRONICLEをレビューしてきたんだ。トライアングルストラテジーからスクエニのSLGを2作続けてプレイしてきたんだけど、正直どっちも評価は残念な感じだったんだ。

戦闘パートはとっても残念だし、伏線の張り方も残念過ぎるんだけど、シナリオ自体は王道と見せかけて外してくる感じとか、主人公によってジワジワ人間関係が破壊されてく感じとかは面白かった。

主人公を含め、心理描写が少なすぎて想像で補完する必要はあるけどね・・・。

全くオススメはしないけど、遊べない、って程じゃないから仲良しこよしの戦争ゲームに飽きた人はプレイしてもいいかも知れない。肝心のシナリオもここでネタバラシしちゃってるけどね・・・。

そんな感じ。

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